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新穂高ロープウェイに人気が集中する新穂高温泉では、槍穂高連峰や笠ヶ岳・双六岳方面へ向う登山コースに一歩入ると、とたんに観光客の姿を見なくなります。
しかし、新穂高から林道を歩いてゆく穂高平やワサビ平は、山々を間近に眺める手ごろなハイキングコースながら、まだ登山道の通過点くらいにしか思われていません。
静かで自然をたっぷり楽しめる穴場として、穂高平を紹介します。
新穂高温泉→穂高平 約50分/穂高平→新穂高温泉 約40分 |
新穂高ロープウェイの下をくぐり、車で混雑する駐車場を過ぎると、ゲートで規制された右俣林道に入ります。槍ヶ岳から流れる右俣谷に沿って夏緑広葉樹林の中を林道が伸びています。
前方に南岳がそびえ、大キレットに落ち込む獅子ヶ鼻の断崖がよく見えます。小鍋谷の清水が引かれた水飲み場で喉をうるおし、西穂高岳からの小鍋谷の橋を越えてしばらく行きます。
右手にショートカットの夏道が分岐します。見事なブナ林の中を登る登山道で、林道を行くより若干の時間短縮ができます。林道を行く場合は右俣谷を離れて大きく登り返すと、夏道と合流して穂高平小屋の建つ穂高牧場に到着します。
穂高平からは、槍ヶ岳、南岳、穂高岳の稜線が手に届くような距離に見えます。
牧草地に樅の木を背景にした赤い屋根の山小屋が建ち、ヨーロッパアルプスのような風景です。
穂高牧場は観光用の牧場ではありません。放牧シーズン中は柵がされて、飛騨牛がのんびり草をはんでいます。
宿泊もできる穂高平小屋からも、槍ヶ岳や大キレット、奥穂高岳ジャンダルムの雄姿を眺めることができます。背後のカラマツの大木や牧場の草原とあわせて、アルプスの少女ハイジの世界のようです。
穂高平小屋 7月〜10月 電話:(0578)82−4010
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