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高山市上宝町の蔵柱谷と、飛騨市神岡町の間にのびる山並みに、天ヶ岩という巨岩があって、地元の信仰の対象になっています。
天ヶ岩からは、高原川の谷を隔てて正面に、笠ヶ岳から穂高、乗鞍岳、御嶽山、北には薬師岳へと連なる北アルプスが手に取るような近さに並んでおり、飛騨でも第一級の展望台です。
小萱峠→天ヶ岩 45分 / 天ヶ岩→小萱峠 30分 |
地蔵堂が祀られた小萱峠の小広場に車を置いて、天ヶ岩林道を歩いていきます。
尾根どおしに付けられた林道を進むと、周囲の景色も開けて、南に大きな乗鞍岳の山容が見えてきます。林道終点近くのピークから、尾根道の歩道に踏み込みます。
樹林越しに北の神岡町の街並みが見え、最高点のピークを超えると、尾根から突き出た巨岩に祠が祀られているのが見えます。これが天ヶ岩です。
一旦下って天ヶ岩屋への道と分岐し、松林の中を上り返すと、ちょっとした岩場を鎖伝いにせり上がれば、展望台に着きます。鎖に囲まれた展望台の大岩からは、北アルプス連峰が屏風を連ねたように並んで壮観です。もう一段岩をよじ登れば、天ヶ岩の祠があります。
帰り道の途中で、天ヶ岩屋に寄り道をしてみます。
天ヶ岩屋は数人が野宿できそうな巨岩の下の窪みで、明治時代に開山された奥山半僧坊大権現が祀られています。
天ヶ岩は、明治19年に開山されました。
蔵柱のある夫婦が夢の中で、天狗のような鼻の高いお坊様から、裏山の頂上に立派な岩屋があると告げられました。
夫婦が同じ夢を見た翌日、旅のお坊さんが静岡県「方広寺」のお札を売りにきました。また、裏山に登ると、別のお坊さんが現れ、岩屋まで道案内して消えたので、不思議な岩屋に方広寺の分院を祀り、開山しました。
開山の年は養蚕が大豊作となり、その祠は、養蚕や山の守護神として現在も信仰されています。
蔵柱谷の県道を行くと、神岡町小萱への標識があります。それに従って、小萱峠へのフラットダートの林道を進みます。小萱峠には地蔵が並ぶ立派なお堂が建ち、無名の峠ながら古くから利用されてきたことが伺えます。
神岡側から小萱峠に入る場合は、小萱薬師堂を目印にするといいでしょう。
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