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宮川の東に並ぶ古い街並み「三町」のなかでも、古い街並みが最もよく残っているのが、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定された上三之町です。
時間が止まったような街並み、江戸時代からの狭い道路の両脇には用水路が流れ、渋い紅殻格子の軒先にはスカイブルーの朝顔が咲いています。
文化財の街並みですが、町家建築の家々は今でも生活の場として使われています。その一方、ほとんどがおみやげ店や喫茶店などを経営し、ここが高山随一の観光地であることも確か。
昼間は観光客でごったがえす上三之町、お勧めは朝市が開きかけた早朝か、おみやげ店が店じまいする夕暮れ時、夕方5時くらいです。人通りのない上三之町は、時代をさかのぼったような、不思議な静寂に包まれています。
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飛騨高山の古い街並みを、優雅に人力車で巡りながら、高山を知り尽くした達人車夫のユーモアたっぷりの観光案内を楽しめます。
人力車乗り場は上三之町と柳橋の交差点、高山陣屋朝市、中橋東詰の3ヶ所です。
料金は大人2人で15分3,000円、30分5,000円。 |
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藤井美術民芸館 |
藤井美術民芸館の門 |
飛騨民族考古館 |
高山城二之丸御門を模したという門が目を引きます。
江戸流の土蔵があり、内部は総ヒノキ造りの豪華なものです。その土蔵に、藤井家が収集してきた美術工芸品など約2000点が展示してあります。
9時〜17時 400円 休:年末年始 電話:(0577)35−3778
元高山城主金森家の御典医・上田玄泰の住まいでした。大名専属の医師だけに、吊天井やからくり扉、忍び窓、宮川まで抜けられる地下通路など、まるで忍者屋敷のような仕掛けがほどこされています。
土蔵に飛騨各地で出土した石器や土器を展示しています。
8時〜18時 400円 無休 電話:(0577)32−1980
飛騨の地味噌は香り高いこうじみそです。
上三之町には、大のや醸造と日下部味噌醤油醸造の2つの醸造所直営店があり、店内には、食欲を誘われる味噌のいい匂いが漂います。
味噌汁の試飲やこうじを使った甘酒もいただけます。
大のや醸造 電話:(0577)32−0480
日下部味噌醤油醸造 電話:(0577)32−0122
高地の冷涼な気候と北アルプスの清らかな水、特産の酒米に恵まれた飛騨高山は、酒どころとしても有名です。
上三之町には、原田酒造と舩坂酒造の2つの造り酒屋が向かい合っています。冬のシーズンには酒蔵が開放されて、清酒仕込みの様子を見学できる「酒蔵めぐり」が行われ、できたての新酒試飲ができます。
酒屋の軒先に下がった丸いものは「杉玉」といって、杉葉で作った造り酒屋のシンボルです。新酒ができた目印として掲げ、時間がたって杉玉の色が変化することで、酒の熟成具合がわかるというものです。
舩坂酒造では中庭をはさんだ酒蔵をオープンカフェ風のレストランとギャラリーに改装しており、酒樽を模したオブジェが往時の雰囲気を残して、欧米の観光客にも人気があります。原田酒造では造り酒屋の現役の酒蔵をいつでも見学できます。
原田酒造 電話:(0577)32−0120
舩坂酒造 電話:(0577)32−0016
飛騨高山は食べ歩きが楽しい街です。
みたらし団子に、飛騨牛串焼きや、飛騨牛にぎり寿司はすっかり定番になりました。
もちろん、上三之町のあちこちに屋台があって、おいしそうな香ばしい匂いが漂います。
最近では新しい食べ歩きの屋台も増えてきました。
焼きたて煎餅や、一口サイズの子鯛焼き、飛騨牛コロッケなどをいろいろ買って、つまみながら歩くのも楽しいものです。
町家造りの食事処を紹介します。
「久田屋」は郷土料理の店、飛騨牛朴葉みそ焼きなどがあります。
「のぐちや」は豆腐料理専門店、とうふステーキは飛騨高山の名物でもあります。
「坂口屋」は飛騨牛料理店、飛騨牛にぎり寿司のテイクアウトもできます。
飛騨高山は人口比で喫茶店密度が全国一だそうです。
上三之町にも町家の風情ある和風カフェが多く、街歩きの合間にほっと一息つくことができます。町家の2階席からは、格子戸越しに古い街並みを見渡せます。
Cafe
「ばれん」 電話:(0577)33−9201
「手風琴」 電話:(0577)34−6185
「喫茶去かつて」 電話:(0577)34−1511
「藍花」 電話:(0577)32−3887
「Cafe青」 電話:(0577)57−9210
「ひだっちカフェ」 電話:(0577)57−8831
上三之町の町家の大半はお土産店になっています。
さるぼぼは定番ですが、パワーストーンの店や、うさぎグッズの専門店、明治から昭和時代の古布を加工した雑貨、着物の専門店、和紙細工、布に木版で型押しして作った動物のぬいぐるみなど、ちょっと懐かしい可愛い雑貨の店も多く、眺めているだけで時間がたってしまいます。
ちょっと変わった店?もあります。
藤井美術民芸館を経営する藤井家は、本業が歯科医院です。また、古い街並みの中には、渋い看板を掲げた産婦人科医院もあります。上三之町は観光だけの町ではないのですね。
上三之町から少し外れた通りには、岩崎文具店がありますが、ここではろうで作る食品サンプルの製作・販売を行っています。サンプルづくり体験もできます。
昼間はごったがえす上三之町も、夕方5時くらいには店が閉まり、行き交う観光客も途絶えます。人通りのない上三之町は、時代をさかのぼったような、不思議な静寂に包まれています。
そんな上三之町の夜を幻想的にライトアップする、冬のイベントがあります。
ほの暗い街並みには、家々の玄関に掲げられた提灯の明かりが灯り、そこだけほんのり浮かび上がります。いくつかの店は開いていて、暖かい甘酒の接待があるなど、寒い時期ならではのおもてなしが感じられます。
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