|
|
下呂温泉の高台にある下呂温泉合掌村では、世界遺産白川郷から10棟の合掌造り民家を移築して、かつての白川郷の生活の様子を展示しています。
園内には国指定重要文化財でもある「大戸家住宅」のほか、和紙作りや陶器の絵付け体験ができる「飛騨工房」、「円空館」、南飛騨の里山を再現した「歳時記の森」などがあります。
併設された「しらさぎ座」では、全国唯一の影絵劇団「かかし座」による地元の民話をテーマにした影絵劇や影遊びの実演が行われています。 |
8:15〜17時 800円 無休 電話:(0576)25−2239
下呂温泉合掌村で最も大きな「大戸家」は、白川村御母衣で140年の歴史を持つ旧家でしたが、御母衣ダム建設で湖底に沈むため昭和37年に下呂温泉に移築されたものです。天保4年(1833)から弘化3年(1846)まで13年かかって建築されたことが大工の名を記録した「棟札」に記されています。なお、大戸家は衆院議員・平沢勝栄氏の生家です。
明治頃には20人以上の大家族が暮らしていました。当時の大家族制度では、長男だけが正式に結婚でき、あとの兄弟は分家も認められませんでした。
広い屋内には畳の敷かれた主人の部屋や豪華な仏間、寄り添うように大勢の家族が暮らした男衆部屋、女衆部屋などがあり、煤で燻して家屋の強度を高めるために囲炉裏には常に火が燃えています。
白川郷でも代表的な合掌造りとして国指定重要有形文化財に指定され、2階の養蚕スペースでは農具や当時の生活で使われた品々を展示しています。
富山県五箇山から移築された合掌造り民家です。
飛騨白川郷の合掌造りは屋根の下に入口がある「平入り」ですが、越中五箇山の民家は三角部分に入口がある「妻入り」が特徴で、内部は民俗資料館です。
隣にはかつて下呂温泉合掌村で上演され、故洞奥一郎氏が一人で百体近い人形を操った幻の演芸作品「竹原文楽」と豪華な雛人形を展示した「竹原文楽記念館」の合掌造りがあります。
|
下呂温泉合掌村の村内にある大きな足湯です。
合掌村入場者は無料で利用でき、合掌造りの家々や周囲の森を眺めながら、リラックスできます。 |
大戸家から下った場所にある「飛騨工房」では、合掌造り民家を利用して和紙作りや陶器のろくろ・絵付け体験ができ、作品は焼成が完成した後に郵送してもらえます。
また、合掌造りの軽食・喫茶と売店の「市倉」があります。
萬古庵にあった円空館が飛騨工房の隣に移転・リニューアルオープンしました。
円空館では、下呂市内に収蔵されている円空仏30体を展示しています。飛騨を2度訪れた円空が下呂に遺した円空仏は円熟期のもので傑作が多いといわれます。
円空仏の背後に墨書された神仏名や梵字を読み解く工夫がされているほか、円空の和歌、書画を通して心象の変化に迫ることができる博物館です。
合掌造りの劇場「しらさぎ座」では、全国唯一の影絵劇団「かかし座」による、地元の民話をテーマにした影絵劇や影遊びの実演が行われています。
NHKの子ども番組や、音楽のプロモーションビデオも手掛けているだけあって、見る側の想像力をかきたてる実力は折り紙つき。影絵劇が始まると、物語の世界へ一気に引き込まれます。
晴れている日は、外で影遊びも教えてもらえます。
下呂市の伝統的な益田造りの古民家を再現しています。萬古庵の1階は囲炉裏のある甘味処になっており、合掌村を見下ろしながら創作Gスイーツがいただけます。
2階の広い養蚕スペースは美術作品の展示館になっていて、店内で飲食しないお客さんでも自由に見学ができます。
萬古庵の周囲は水車小屋やかえる神社が配され、ひとやまが桜や紅葉の樹木に包まれた「桜山」「紅葉山」に生長する日も楽しみです。山頂から175mを滑走するロング滑り台も子どもたちに人気です。
下呂温泉合掌村では、大勢の地元のボランティアの方たちが、スタッフとしてお客さんをおもてなししてくれます。大戸家の囲炉裏では、地元の昔話を語るおばあさん、自慢の尺八を演奏するおじいさん、わら細工などの工芸品を実演するおじいさんがいて、とっておきの話を聞かせてくれます。
ぜひ、見かけたら声をかけて、地元の方とのふれあいを楽しんでみてください。
3月3日のひな祭りに合わせて、下呂温泉合掌村では「土雛祭り」が開催されます。
飾られるのは600体にものぼる素焼きのひな人形たち。正面にだけ絵が描かれていて、中は空洞という素朴なものばかりです。昔、桃の節句が近づくと、各家庭では、毎年1つ、2つと新しく買い揃え、タンスや引き出しをひな壇にして飾りました。
飛騨では、「がんどうち」といって、ひなまつりに子どもたちが近所の家々を回り、「ひなさま見しとくれ」と言ってはひな飾りを見、お菓子をもらって歩く風習があります。
合掌村の土雛祭りでも観光客に甘酒がふるまわれ、飛騨の素朴なひなまつりを体験することができます。
|
|