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乗鞍岳の山頂バスターミナルのある地点は標高2702m、畳を敷き詰めたように平坦なことから「畳平」と呼ばれています。
北アルプスの雰囲気を気軽に楽しめるところが魅力ですが、空気も薄く、少し動くとすぐに息が切れます。高山の頂上に立っているのと同じであると考えて行動しましょう。
畳平は上下2段に分かれていますが、上段は駐車場を取り囲んで、案内所やバス乗り場、売店、レストランの入った「バスターミナル」や、「乗鞍本宮」、「一万尺・乗鞍山頂簡易郵便局」、宿泊や食事ができる「銀嶺荘」と「白雲荘」があり、乗鞍岳の中心地になっています。
バスターミナル地下にある無料の自然展示施設で、乗鞍岳のジオラマを中心に、写真パネルや標本、模型で、乗鞍岳の動物や高山植物を解説しています。また、宇宙線観測所やコロナ観測所の紹介もあります。
畳平のお花畑を散策する前に、高山植物の知識を仕入れておくといいでしょう。
バスターミナル下に広がる平坦地は、北アルプス最大級の高山植物のお花畑です。
階段を下りてゆく途中にもクロユリやウサギギクのお花畑がありますが、平坦地には一周30分の木道が設けられており、体力のない人でも気軽に散策が楽しめます。絶対に木道から外れたり、高山植物を採取するのはやめましょう。
シーズン中にはさまざまな高山植物を見ることができます。なかでも見事なのが、7月中旬のハクサンイチゲ。広い平らが一面ハクサンイチゲの純白の花で敷き詰められたようになります。
途中には休憩にいい巨岩が点在し、周囲を恵比須岳と不動岳に囲まれて北アルプスの雰囲気を楽しめます。
畳平のはずれにある火口原湖で、周囲を囲んでバス道路や剣ヶ峰に向かう遊歩道があります。自然保護のために立ち入り禁止ですが、遊歩道からも路傍に咲くコマクサなどの高山植物が楽しめます。
かつては円形でしたが、大黒岳から流入する土砂でS字形の池になり、その形が鶴に似ているので鶴ヶ池の名があります。周氷河現象の亀甲砂礫が見られます。
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