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涸沢→屏風のコル 約1時間30分 屏風のコル→屏風の頭 約45分 |
涸沢から前穂高岳北尾根の鞍部を越えて徳沢へ下りるパノラマコースは、屏風岩の上へ登ることができ、空に浮かぶような穂高連峰と、峰々に抱かれた涸沢カールを間近に望むことができる絶景ルートです。
涸沢からの下山コースとして利用されますが、涸沢から見える北尾根中腹に水平に刻まれた登山道や、パノラマコースという名前から受ける印象と裏腹に、結構険しく、道のりも長い難路です。一般初心者向けではありません。
涸沢ヒュッテの真下から水平道に入り、最初は涸沢カールをトラバースしながら屏風岩に向かって歩いてゆきます。やがて、北尾根稜線から下りる尾根と沢をいくつも越えるようになりますが、ダケカンバの樹林帯にいやらしい石のガレ場がスコーンと抜け落ちた沢や、岩と木の根をつかみながらよじ登る小尾根が連続して緊張を強いられます。
ようやく北尾根の最低鞍部・屏風のコルに到着すると、背後に涸沢カールと槍ヶ岳、前方に梓川の谷の眺めが広がります。
ここに荷物をデポして身軽になり、稜線を屏風岩の頂上・屏風の頭に出発です。
のっけからダケカンバ林の息をもつかせぬ急登りです。岩とハイマツがゴロゴロする高山帯に出ると、賽の河原で展望が一気に開けます。屏風の耳など、いくつか岩のピークをよじ登り越えていくと、横尾からはるか高く見上げた屏風岩の頂上に出ます。 頂上から眺める槍穂高連峰の絶景は素晴らしいの一言に尽きます。
屏風の頭→屏風のコル 約30分 屏風のコル→徳沢 約2時間30分 |
屏風のコルからはるか下に見える梓川に向かって草原をぐんぐん下っていきます。樹林帯に入って尾根を2つ越えると、急な坂道を下って奥又白谷に出ます。この下りも、岩と木の根を乗り越えながらぐいぐい下るもので、結構疲れます。
前穂高岳北尾根の険悪な岩壁を見上げる奥又白谷沿いにさらに下ると、だんだん梓川の河床が近づいてくるのが分かって、ようやくほっとします。砂防堰堤からは林道歩きになり、樹林に囲まれて静かな梓川右岸林道を歩き、新村橋を渡ると徳沢まで10分ほどです。
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