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上高地の象徴ともいえるポイントが河童橋です。
奥穂高から前穂高に連なるごつごつした岩の稜線を、これほど間近に眺められる場所は一般観光エリアとしては他にありません。吊橋の架かる梓川を手前に、天空にぐわっと広がる雄大な岩と雪の殿堂は、迫力満点です。
現在の吊橋は1997年にできたもので、5代目になります。昭和2年、芥川龍之介が代表作「河童」の舞台に選んだことから、上高地の名は全国的に広まりました。
橋の両側にはホテルやレストラン、お土産屋が並び、平日・休日を問わず多くの観光客でごったがえしています。ここだけ見れば、上高地が深い山奥にあることなど忘れてしまいそうです。
とはいえ、上高地を訪れる観光客の圧倒的多数が、河童橋で写真を撮って、お土産を買ってあわただしく帰るだけ、としたらもったいない限りです。上高地は河童橋だけではありません。自然に親しみながら、歩いてこそ楽しめる場所です。
河童橋の手前300mの場所に、上高地バスターミナルがあります。
平湯や沢渡と上高地を結ぶシャトルバスがひっきりなしに発着し、バスを待つ人たちの長い列ができます。バス会社やレストラン、お土産屋、公的機関の出張所が集まった上高地の中枢です。
(0263)95−2106
五千尺ホテルから小梨平の森への入り口に、清水川という小川が流れています。
名前のとおり底まで見えるほど澄みきった川で、透明な水が滑るように水草の上を流れ、岩魚がゆうゆうと泳ぎます。
水中の様子は上高地ビジターセンターでライブカメラで観察することができます。
河童橋の東詰、五千尺ホテルの前の道を数十メートル進んだだけで、都会並みの喧騒は嘘のように消え、静寂に包まれたカラマツ林が広がります。
小梨平のカラマツ林に囲まれた上高地ビジターセンターは、ログハウスの山荘風の造りになっています。上高地に生きる動植物や、地形を紹介しています。運悪く天気がすぐれないときも、ビジターセンターを訪れたら、新しい発見ができるでしょう。
4月下旬〜11月 入館無料 無休 (0263)95−2606
小梨平は上高地の観光エリアでは唯一のキャンプ場です。キャビンや風呂、食堂も備えた便利なキャンプ場で、登山のためだけでなく、避暑にも最適の場所です。
カラマツ林にはトイレ棟が点在しています。明神池や奥上高地へハイキングに向う場合には、ここで済ませておきましょう。
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