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明神からメインルートを奥に進みます。明神池までは足を伸ばす観光客やハイカーもあり、賑わっていますが、明神を過ぎるとさすがに行き交う人の数も少なくなります。
明神から奥、徳沢と横尾辺りまでは奥上高地と呼ばれ、雪を抱いた険しい峰がアルプス的な風景を作り出す絶景地です。
砂地の道は明神までと変わらず、誰でも歩けますが、距離が長いので時間の余裕を持って歩きましょう。徳本峠の分岐を過ぎて歩くと、梓川の眺めが開けます。
明神岳の右に前穂高岳を構成する岩峰が連続してヨーロッパアルプス的な山岳風景が展開します。どこで眺めても絵になる感じです。
ゆっくり景色を楽しみながら平坦な道を行きます。やがて、山から渓流が流れ込む古池を過ぎ、ダケカンバ林の続く広い平地に変わると、徳沢の一角に着きます。
徳沢は広い谷底の盆地に、芝生が広がる気持ちのいい場所で徳沢園と徳沢ロッジの2軒の山荘があり、小説「氷壁」の舞台になりました。かつて牧場であった芝生はキャンプ指定地になっています。徳沢で休憩しながら、樹林越しに前穂高岳を眺めるひとときは最高です。
徳沢から横尾に向います。樹林帯を行くと、梓川にかかる新村橋の分岐を過ぎて道はずっと梓川に沿って続き、だんだん形を変えていく前穂高岳の峰々を仰ぎつつ歩くのも楽しいものです。
やがて白い石がごろごろする梓川の河原に出て進んでいくと、横沢が梓川に合流する小盆地に吊橋がかかる横尾山荘につきます。
ここでは何と言っても高さ600m、日本一の大岩壁である屏風岩の眺めが目を引きます。屏風岩はロッククライミングのメッカ、双眼鏡で眺めると、垂直の岩壁に取り付いたクライマーの姿を見ることができます。
横尾は槍ヶ岳を目指す登山者と、涸沢を経て穂高連峰を目指す登山者が分れる北アルプスの十字路、ここから先は装備を固めた登山者の世界です。奥上高地トレッキングは横尾で引き返すことにしましょう。
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