|
上高地の冬は、バスもなく、宿泊施設も休止して雪に閉ざされます。
観光客の歓声が途絶えた冬の上高地は、束の間の静けさに包まれます。その厳しくも美しい大自然の姿は、この時期に歩いて訪ねる者だけが目にすることができます。
釜トンネル手前まで国道158号線の通年通行が可能になったため、洋風かんじきのスノーシューを利用して、比較的手軽に冬の上高地を楽しめるようになりました。
週末には夏山もさぞやと思わせるほどの人がスノーシューやクロカンスキーでトレッキングを楽しんでおり、静まり返った上高地を想像していると、ちょっと拍子抜けします。
ただし、ここはやはり北アルプス、冬型の気圧配置になれば、猛吹雪に襲われます。
防寒防風の衣服や冬山装備、ヘッドランプ、非常用食料を十分揃えましょう。
○釜トンネルから河童橋まで片道約8kmあります。早朝に出発して時間に余裕を持ちましょう。冬の夕暮れは早く、午後2時を過ぎれば、急激に気温が下ります。
○必ずパーティで行動し、単独行はやめましょう。
○トレッキングで最も心配なのは意外にも交通事故です。冬は観光シーズンの準備期間でもあり、工事用の車輌が出入りします。特に釜トンネル内部は凍結して危険な上にカーブや急傾斜で見通しが利きません。 トラックやダンプとのすれ違いざま、体からはみ出た装備を引っ掛ける事故があります。
○釜トンネルから大正池までの区間は山が迫り、雪崩が起きやすい場所です。休憩などの長居を避けて注意して通過しましょう。
○一面に広がる雪原は魅力的ですが、湿原保護のために夏道を辿りましょう。森林内に入ると、平坦なため方向を見失うことがあります。また、除雪された車道は工事用車輌が通ります。基本ルートを歩きましょう。
|
|