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4月下旬に上高地が山開きしますが、ゴールデンウィークの上高地はまだ残雪があちこちに残り、木々の芽吹きにはまだ早い季節です。
上高地の森がにぎやかになるのは5月後半から。山々はまばゆいばかりの新緑に輝き、林床にはニリンソウの白い花がじゅうたんを敷き詰めたように広がります。
6月の梅雨の晴れ間には、残雪に輝く穂高岳の稜線をバックに、高原を彩るレンゲツツジの真っ赤な花がよく映えます。まだシーズン前で観光客の姿も少なく、上高地がもっとも美しい景色を見せるときです。
上高地のハイシーズンです。梓川には澄み切った水がとうとうと流れ、山の日差しは強くても、木陰に入ればひんやりと涼しさを感じることができます。
登山やハイキングの人たちだけでなく、山の涼しさと新鮮な空気を求めて、どっと避暑客が押し寄せ、バスターミナルから河童橋の周りは都会のような人ごみです。それでも、清水川を越えて小梨平の森に一歩足を踏み入れれば、河童橋の雑踏がうそのように消え、静かな上高地の雰囲気が味わえます。
短い夏が足早に過ぎ去ると、穂高岳の稜線から秋が始まります。
9月後半には涸沢カールはナナカマドの紅葉で覆われ、はやい年はもう山頂に初雪を見ることがあります。白雪、紅葉、針葉樹の三段紅葉です。
上高地はカラマツ林が多いため、紅葉というより黄葉がメインです。大正池から焼岳山麓にかけては一面の黄金色に輝き、観光客でにぎわう最後のシーズンを彩ります。
上高地は11月中旬に閉山し、山々は束の間の静けさに包まれます。
それでも、冬の上高地は、釜トンネル手前までの国道158号線が通年通行できることから、スノーシューや山スキーで入山するトレッカーが列をなし、天候の安定した週末などは、夏山シーズンもかくや、と思わせるようなにぎわいを見せています。
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