Panorama飛騨 飛騨路と北アルプスの絶景地ガイド

 
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赤沢自然休養林・寝覚の床・木曽路


 木曽路が生んだ文豪・島崎藤村の「夜明け前」は、「木曽路は全て山の中である・・・」という有名な一文で始まります。現代の木曽路を駆け抜ける国道19号線、JR中央本線も木曽川の両岸に山々が迫る狭い谷間を縫うように走ります。
 その木曽の山々は、古代から「木曽五木」として知られるヒノキをはじめとした良材の宝庫であり、江戸時代には尾張藩が「木一本、首一つ」と恐れられる厳しい森林管理を行いました。その結果、木曽赤沢には樹齢300年以上の大木が茂る森が残され、昭和44年(1969)全国で初めての「自然休養林」に指定されました。豊かな森と清流に沿って森林鉄道が走り、「日本の自然百選」「森林浴の森第一号」にも選ばれています。

赤沢自然休養林

 木曽郡上松町の西部に広がる赤沢には、緩やかな地形に樹齢300年の天然ヒノキ林が広がり、江戸時代から尾張藩、皇室御料林、国有林を経て保護されてきました。
 「遺伝資源保存林」として保護・研究されている森は「赤沢美林」とも呼ばれ、森林学習だけでなく、8コース総延長20qのウォーキングが手軽に楽しめる森林浴の森としても親しまれています。

赤沢美林総合案内 電話(0264)52-1133

森林鉄道

 赤沢自然休養林入口の森林鉄道記念館から丸山渡の往復2.2qを走る森林鉄道は、自然休養林のシンボル的存在です。
 小さなディーゼル機関車に引かれたトロッコ列車が、ウォーキングコースが延びる渓流沿いに走り、森林浴の人たちが歓声を挙げて見送ります。支流に架かる橋を渡り、最大の見どころ「呑曇渕」を過ぎると折り返し点の丸山渡停車場。ここで機関車の向きを変えるために10分間の休憩があります。
 丸山渡で下車してウォーキングコースを歩くことはできますが、丸山渡からの乗車や、違う便での折り返しはできません。

4月下旬〜11月上旬運行。1時間に1便(繁忙期30分に1便) 大人800円

森林鉄道記念館

 木曽谷では川を利用した木材流しにより運材を行っていましたが、明治44年(1911)に国鉄中央線が開通すると、大正4年から森林鉄道が建設され、アメリカ・ボールドウィン製蒸気機関車による木材輸送が本格化しました。戦後の木材需要により森林鉄道網は飛躍的に拡大し、最盛期には57路線、総延長428kmにも及びました。
 しかし、トラックの普及とともに森林鉄道は役割を終え、昭和50年(1975)上松・王滝線が廃止されて国内から姿を消しました。廃線を惜しむ声が上がるなか、伊勢神宮の遷宮用材を運搬するため、昭和60年(1985)に赤沢美林に軌道が復活、2年後から観光用に運転が始まりました。

ボールドウィン蒸気機関車

 大正5年(1916)にアメリカから導入され、昭和35年まで走行距離約42万qを走り抜いた木曽森林鉄道の花形蒸気機関車です。3機のうち2機はアメリカに里帰りし、残る1機が森林鉄道資料館に保存されています。
 異様に大きな煙突は、戦時中の石炭不足で木の枝を焚いて走ったため、火粉の飛散防止のためにつけられたものです。

森林セラピー

 赤沢自然休養林を流れる道川渓流と森林鉄道に沿って、ベビーカーや車いすの方でも森林浴ができる舗装路と木道の森林浴コースが延びています。平坦で穏やかな渓流には、ナメ状になった大きな岩盤の上を滑るように澄んだ水が流れています。
 森が発散する酸素やアロマ効果を浴びながら、免疫力や心の安定を高め、心身ともに健康になる森林浴は、赤沢の森で提唱され、広まったものです。

呑曇渕

 森林鉄道と森林浴ウォーキングの見どころは、道川が大きな岩盤から滝になって渕に落ち込む「呑曇渕」です。休憩所とトイレが整備されており、川遊びができます。
 勢いよく流れる水が「どんどん」と聞こえるため名付けられたといいます。

森林資料館・森林セラピー体験館

 赤坂自然休養林の入口となる駐車場の周囲は、森林資料館、森林セラピー体験館、森林交流センター、森林鉄道資料館などの施設が集まり、森林学習の拠点になっています。宿泊施設の去来荘、せせらぎの里や飲食店もあります。

木曽五木

 ヒノキ科のヒノキ、サワラ、ネズコ、アスナロと、コウヤマキ科のコウヤマキは、寺社や城郭の建築資材として重宝され、「木曽五木」と呼ばれました。江戸時代には木曽の山々を支配した尾張藩により、「木一本、首一つ」と恐れられる厳しい管理下におかれ、庶民は使うことが許されませんでした。

寝覚の床

 木曽川が巨大な岩盤に遮られ、岩をえぐる深い峡谷をつくっているのが木曽八景のひとつ「寝覚の床」です。木曽川沿いにJR中央本線と国道19号線が走り、絶景を眺めるドライブインもあってアクセスはよい場所にあります。
 深い山の中ですが、浦島太郎伝説の地として知られ、岩の上に浦島堂が建ち、入口にある臨川寺には寺宝として浦島太郎の釣竿などが伝えられています。丹後国天の橋立の人であった浦島太郎が、龍宮から戻って玉手箱の蓋を開け、白髪の老人になってしまった場所で、夢物語から目が覚めたため「寝覚め」というのだそうです。

臨川寺

 龍宮から戻ってきた浦島太郎が、玉手箱とともに授かってきた弁財天像を奉納した、と伝わる浦島伝説縁のお寺で「寝覚山」の山号があります。国道から木曽川に下りる際に境内を通るため、山門で拝観料として300円を収めます。「寝覚の床」までは高度差があり、往復30分程度かかります。

阿寺渓谷

 阿寺川は、木曽郡大桑村を流れる木曽川の支流で、木曽川の西、阿寺山地を源流に約15qにわたり、エメラルドグリーンの美しい渓谷が続いています。
 その透明度は木曽川本流のダム湖と合流する地点で歴然とするほど。巨石がごろごろする渓谷沿いに狭い舗装林道を走り、両岸を険しい岩壁に遮られる「犬帰りの渕」を過ぎると、真っ白な花崗岩に磨かれて澄み切った水が滔々と流れる渕が連続する渓谷の中心部です。遊歩道から六段の滝を間近に眺めることができます。
 林道の終点には阿寺渓谷キャンプ場、渓谷の入口付近には日帰り入浴ができる阿寺温泉フォレスパ木曽があります。

阿寺温泉フォレスパ木曽 11時〜17時 500円
電話(0264)55-4455

柿其渓谷

 阿寺川の南にある木曽川の支流が、木曽郡南木曽町の「柿其渓谷」です。
 「木曽の秘境」「隠れ里」と呼ばれ、急斜面にへばりつくように民家が点在する集落の狭い道を進むと、渓谷駐車場と柿其温泉「やきやまの湯いちかわ」があります。
 川に向かって300mほど下ると、遊歩道入口の吊橋、そこから400mで牛が滝です。
牛が滝は、巨大な花崗岩が柿其渓谷に削られて円形ホール状の滝壺をつくっており、エメラルドグリーンの美しい水を満々と湛えています。

やきやまの湯いちかわ 日帰り入浴可能 電話(0264)57-2655

桃介橋・天白公園

 南木曽町中心部・三留野地区と対岸の中学校、高校を結んで巨大な木造吊橋が架かっています。大正11年(1921)に木曽川読書水力発電所の工事資材を運ぶため、トロッコレールの橋として建設されたもので、大同電力社長で「電力王」と呼ばれた、福沢桃介(福沢諭吉の養子)にちなみ、桃介橋と名付けられました。
 全長247mの日本有数の長さの木造橋であり、生活道路としての役割を終え現在は、文化財として保存されています。国道対岸の天白公園には、福沢桃介が木曽滞在の基地として建てた洋館別荘が「桃介記念館」として公開されています。福沢桃介は、日本の女優第一号とされる川上貞奴をパートナーとし、政財界有力者や外国人賓客を招いて華やかなパーティを催すなど、木曽路に西洋文化を持ち込みました。

桃介記念館 3月中旬〜11月末 9:30〜16:30 300円
電話(0264)57-4166


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