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高山市久々野町の西にそびえる船山(1479m)は飛騨富士とも呼ばれます。平坦な山頂は長さが2kmもあって、船の甲板を連想させます。
山頂の先端部からは、御嶽山から北アルプス、白山にわたる360°の大展望が開けます。
船山の下呂市側には古代の位山街道が通り、ブナの原生林もあって、自然と歴史を感じられます。 |
駐車場→展望地 約20分/展望地→駐車場 約20分 |
山頂まではアルコピア船山スキー場から船山高原キャンプ場を経て簡易舗装の道路が通じています。こきざみにヘアピンカーブを繰り返しながら上がっていく道路は、頂上の施設の管理用なので対向車とのすれちがいスペースが限られます。注意して進みましょう。
モニュメントのような大きな樹木が立つ広い駐車場からは、大きな御嶽山が見えています。遊歩道に入ると「船山山頂花木園」で、ドウダンツツジの群生や水芭蕉が見られます。花木園に無人の管理舎があります。屋上の展望台も閉鎖され、すっかりさびれた観光地特有の雰囲気が漂います。
山頂地帯を行きます。展望は林立するアンテナ群に邪魔されています。軍事要塞のようなアンテナ群を抜けると、林間の小広場に船山神社があります。
船山の頂上とはこの辺りを指すようですが、展望を楽しむためにはさらに数百メートル先に進み、スキー場の突端に出ます。
現在は使われていないリフトの廃墟がある場所から、御嶽山、乗鞍岳、北アルプスの峰が東の空に浮かび、スキー場の大斜面と麓の街並みを見下ろします。
位山峠→船山頂上 約2時間/船山頂上→位山峠 約1時間30分 |
船山の西麓、下呂市萩原町の位山峠付近には岐阜大学位山演習林が広がります。 見事なブナやトチノキの原生林で、一周3.6kmの遊歩道「光と風の道」が中腹を巡っています。保護研究が行われている森は大自然そのままで、野鳥観察にはもってこい。2ヶ所の観察棟が設けられています。
駐車場のある位山峠(1084m)から小さな起伏が連続する尾根道を行きます。
木の階段が作られていますが、登って下り、またその分だけ登り返すような単調な道にうんざりした頃、あららぎ湖への分岐に到着します。船山へは急な坂道をひと登り、休憩所が現れるとようやく全長2kmもの細長い山頂部の一端にたどりつきます。
「船山山頂花木園」の遊歩道が網の目のように張り巡らされていますが、林立するアンテナ群を目標に北へ向かっていくと、さびれた管理舎や船山神社を過ぎて、スキー場の最上部に出ます。
だんご淵→位山峠 約1時間/位山峠→だんご淵 約45分 |
旧位山官道は、奈良時代に都と飛騨の国府を結ぶ幹線道路だった道。当時は危険な飛騨川沿いを避けて、位山と船山の間にある位山峠を越えていました。それでも峠は標高1084mもあり、険しい道のりだったと想像できます。
奈良時代から平安時代にかけて、気候が厳しく貧しい飛騨の国は「下下の国」に位置づけられ、租庸調の税が免除される代わりに、寺院や宮殿の建築に当たる壮丁を差し出すこととされました。位山峠は多くの男たちが家族と別れて都へ向かった道であり、厳しい労働に耐えて帰ってきた道でした。
県道宮萩原線の駐車場から復元された石畳の道を谷沿いに進みます。
坊さんに化けた岩魚の伝説が残るだんご淵のあたりは、昼でも薄暗くひんやりしています。だんご淵を過ぎて30分ほどで滑らかなのべん滝が現れ、県道に合流します。
しばらく車道を行くと位山神社があり、休憩用のベンチがあります。再び石畳の旧道に入り、岐阜大学位山演習林のブナやトチノキの原生林を抜けて行くと位山峠の頂上へ到着します。
カラマツ林に囲まれた県道に沿って直進すると、無数河川沿いに水芭蕉の群生地最南端の小さな湿原があり、約1.6kmであららぎ湖に出ます。
船山山頂の駐車場へは、国道41号線の久々野無数原交差点で左折し、アルコピアスキー場へ向かいます。スキー場駐車場から直進すると船山中腹に船山キャンプ場があり、キャンプ場を過ぎて管理道を行くと山頂に出ます。
位山峠と官道の駐車場へは、下呂市萩原町から県道宮萩原線を行きます。
山之口地区の集落を抜けると、県道は車のすれ違いができない細い道になり、杉木立に囲まれた駐車場に、トイレと休憩所があります。そのままヘアピンカーブの続く道を上り詰めると位山峠です。数台が駐車可能です。
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