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下呂市の東、信州境にそびえる白草山(1641m)は、なだらかな草原状の笹原が広がった山頂から、間近に御嶽山の南面を眺める展望の山として人気があります。
登山道は黒谷口や三ツ石集落からのもの、御厩野から県境の鞍掛峠を経て登るルートなどいくつかありますが、最も一般的なルートは広域基幹林道の黒谷ゲートから歩く2時間の登山道です。
登山口→2時間→白草山/白草山→1時間30分→登山口 |
広域基幹林道の登山口から1.7kmの黒谷林道を約30分歩きます。だんだん高度を上げてくと、黒谷は林道のはるか下を流れるようになり、山肌から突き出た巨岩や、岩壁の切り通しを過ぎると、再び谷音が近づいて林道終点の小広場に出ます。
林道の終点で黒谷を渡って登山道に入ると、はじめは黒谷に沿って石のごろごろする道を行きます。突き当りを右に折れると植林帯の斜面を登るようになり、やがて雑木林の中を大きくジグザグを切りながら高度を上げていきます。斜面は急ですが、登山道はよく計算してゆるく伸びているため、意外に疲れを感じません。
行く手の白草山はまだ見えませんが、黒谷を挟んでなかなか形のいい高森山がずっと見えています。
なおもゆるい斜度でジグザグを繰り返して行くと、向かいに見える高森山とだいたい高さが同じになってきて、上方が明るく開けてきます。稜線に飛び出すと、もう背の高い樹木はなく、一面の笹原の尾根が白草山に向かって続いています。
やせ尾根に背丈より高いクマザサが茂る足元には、山麓の竹原や加子母の人里を見下ろせます。
いくつか現れる小ピークを登っていくと、背後に白山の姿が高く見えてきます。白草山から西南方向に向かっては高い山がないので、はるか伊吹山や岐阜市の金華山まで見ることができ、濃尾平野の都市が太陽の光を反射して光っています。
アクセントとなる三つ岩と呼ばれる巨岩が立っているのが見えます。
針葉樹の樹林帯を抜けると辺りは一面のチシマザサの笹原に変わり、朝早い時間には露でズボンが濡れてしまうほどです。
谷の向こうに白草山が近づき、擬似高山帯の明るい尾根道を進むと頂上に針葉樹林を刈り残した箱岩山との分岐に到着します。ここを右折すると、ようやく前方に笹原が高原状に広がるのびやかな白草山の山頂が現れます。
草原の北には御嶽山の南面が迫力ある姿でそびえ、おもわず足取りも軽くなります。
ゆるい起伏を超えて頂上に立てば、地獄谷から噴煙を上げる御嶽山は手に取るような近さにあります。
十分に景色を楽しんだら、往路を戻る途中で、白草山より標高が高い箱岩山に寄り道をしてもいいでしょう。しかし、箱岩山にはモヒカン状に切り残された原生林が茂っているため、頂上からの眺めはありません。
国道257号線の宮地交差点から、乗政川に沿って県道を上り、乗政温泉、乗政キャンプ場を過ぎると広域基幹林道に突き当たります。キャンプ場から遊歩道を辿れば、落差21mの乗政大滝があるので、帰りに寄ってもいいでしょう。
広域基幹林道を左折してしばらくで、白草山登山口に到着します。駐車スペースは林道の路側帯ですが、狭いうえに工事用車両が通行します。路上駐車するときは、他の車や治山工事の迷惑にならないよう、譲り合って止めましょう。
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