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下呂温泉の東南に見える山で、約10万年前に噴火した熱源が、下呂温泉を温めているといわれます。
火口壁は大きな崩壊跡を見せ、迫力がありますが、林道を利用すれば、徒歩10分足らずで頂上に立てる気軽な山です。 眼下に下呂温泉の街並みを見下ろす展望台です。 |
登山口→湯ヶ峰 約10分/湯ヶ峰→登山口 約10分 |
湯ヶ峰は広域基幹林道沿いに登山口がありますが、徒歩わずか10分で山頂に達せられる気軽な山です。
林道から笹の下生えのある植林地を登ると、足元に湯ヶ峰火口の崩壊地が広がる山頂に出ます。プレハブの小屋が建つ山頂からは、下呂温泉の街並みが一望できます。
帰りは火口壁の縁を回って進みます。足元がすっぱり切れ落ちて壮絶な崩壊地になっていますので、注意しましょう。平坦地に出るとかつて温泉が湧いていた湯壷跡が杉林の中に残っています。あとは林道を行くともとの登山口に周回します。
登山口の手前に、湯ヶ峰崩れへの道があります。作業用林道を約1kmで、壮絶な崩壊が今も続く火口壁に出ます。防災のための砂防工事が延々と続けられています。
国道41号線の森交差点から、下呂温泉合掌村を通り過ぎて、下呂動物病院から大林集落に向かって上がります。大林集落のいちばん奥の古民家が料亭志むらで、そのはずれに舗装された広域基幹林道萩原加子母線の三叉路があります。
林道三叉路を右折してどんどん行くと、駐車スペースと登山口の看板が現れます。
今から10万年前、下呂の東南にある湯ヶ峰火山が噴火しました。 湯ヶ峰は、いまでも火口壁が崩壊した荒々しい姿を見せています。火山から噴出した溶岩がゆっくり固まると、密度が細かく硬いガラス質の岩石になるため、縄文時代には矢じりなど石器の材料としてよく用いられました。
このガラス質の岩石は「下呂石」と呼ばれ、湯ヶ峰の麓から石器作りの工房跡が出土しています。下呂石を利用した石器は長野県や新潟県でも発見されており、古代の流通ルートがあったと考えられています。下呂温泉の高台にあるふるさと歴史館では、多くの出土品を見ることができます。
湯ヶ峰の火山活動は収束しますが、地下深くのマグマは冷え切らずに残り、飛騨川の地下水を温める熱源になりました。これが下呂温泉です。 温泉が発見されたのは平安時代の延喜年間(901〜923)といわれ、湯ヶ峰の山頂近くに湧き出ていました。今でも山中の湯の平では温泉跡とされる湯壺を見ることができ、湯治のために苦労して山道を登った、という伝承があります。
ところが鎌倉時代の文永2年(1265)、地震とともに突然止まり、飛騨川から噴出した、と伝えられています。(温泉寺所蔵「湯分之事」)
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