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乗鞍高原といっても、信州側の有名な高原リゾート地ではありません。
高山市の飛騨乗鞍高原は、標高1500mの日影平一帯を差します。白樺林や草原が広がり、国立乗鞍青少年交流の家の敷地になっています。
北アルプスや白山の眺めが素晴らしい展望台で、飛騨高山スキー場やキャンプ場があり、高原を逍遥するトレッキングコースが縦横に巡っています。
登山口→かぶと山 1時間 / かぶと山→登山口 45分 |
国立乗鞍青少年交流の家の駐車場に車をおかせてもらい、交流の家キャンプ場を経て、車道ゲートから乗鞍岳登山道の乗鞍岳日影平歩道に踏み込みます。
キャンプ場の北の端に行って見ると、丹生川町の谷をはさんで、北アルプスの山並みが一望できる展望台があるので、寄り道をしてみるのもいいでしょう。右手には広い芝生の丘の向こうに、これから縦走するカラマツ林の稜線がゆるやかに連なります。
最初はダートの林道を歩きます。カラマツの植林帯に背丈を越える一面のクマザサが生い茂る森です。時折出てくる標識は、青少年交流の家を起点とし、100m置きに丸黒山までの距離を示したもので、丸黒山まで縦走すると全部で60あります。
カラマツ林が続き、道は大きく蛇行して、林道終点の小広場に到着します。林道ゲートの向こうは朝日町の青屋牧場で、牧場の草原越しに御嶽山がそびえています。
広場で歩道が分岐します。主稜線を東に辿る長い階段は、日影平山を経て丸黒山へ続くもの。日影平山の山頂はなだらかな平坦地で、樹林に囲まれた特に展望もない平凡なところです。
かぶと山の標識に従って、広場から西に進みます。急な赤土の道を駆け上がると、南側が切り開かれた小ピークに到着し、頂上には東屋があって御嶽山の眺めがよい展望台になっています。ここへは青少年交流の家から飛騨高山スキー場のクワッドリフトを経て直接登ってくるハイキング道があります。
御嶽山展望台から、いくつか小ピークを上り下りする道になります。次々とカラマツの小山が現れて、どれが目指すかぶと山だか分からなくなるほどです。
ようやくカラマツ林が開けると、飛騨高山スキー場の一角に出て、ガラガラの小石が敷き詰められた歩きにくいゲレンデをひと登りで、展望案内板とシングルリフトが架かるかぶと山に到着します。
スキー場越しに青少年交流の家の施設が見え、その背後に素晴らしくきれいな笠ヶ岳や槍ヶ岳がそびえています。東側にはのっそりと乗鞍岳が巨体を横たえて、そのボリュームの大きさに圧倒されます。スキー場のゲレンデ下には飛騨高山の街並みが光って見えます。
かぶと山からの帰りには、さっきのスキーゲレンデをそのまま下っていきます。途中にオリエンテーリングの赤白ポストが見え、そこからヒノキの植林帯に入り込むと、トラバース状にうねうねと山の斜面を横切って道が続いています。
やがて、スキー場のメインゲレンデに出て、そこを登っていきます。ゲレンデが折れ曲がる場所に看板があり、さっき通ってきた御嶽山展望台への道が分岐しています。
ゲレンデに沿って道なりに歩いていくと、クワッドリフトの終点があり、高山市や白山方向の眺めが開けています。林道に沿って青少年交流の家まではすぐ近くです。
全国に13ヶ所ある青少年のための国立研修施設のひとつです。
乗鞍岳を間近に望む標高1500mの日影平に、研修棟、宿泊棟、サービス棟、体育館などを備えた巨大な建物が建っています。学校やクラブ、サークル活動の宿泊研修に利用されますが、団体であれば家族連れなど一般の方でも利用できます。
飛騨高山スキー場に隣接しているほか、広い敷地内にはキャンプ場や遊歩道があり、乗鞍岳への14kmに及ぶ千町尾根登山道の基点になります。
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