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飛騨高山と郡上八幡の70kmをつなぐせせらぎ街道は、ただ走り抜けるだけではありません。分水嶺の西ウレ峠や馬瀬川沿いなどのポイントには遊歩道が伸びていて、ブナの森の散策が楽しめます。
ここでは 落差30mの大倉滝までの間に、百滝と称される大小の滝が連続する景勝地・大倉百滝のトレッキングコースをご案内します。 |
せせらぎ街道の途中、そばどころ大倉のドライブインから、名勝・大倉百滝へのハイキングコースがあります。
舗装された林道を走れば車で10分もかからずに、最上部の大倉滝近くの駐車場まで行けますが、この滝の見どころは大小百もの滝が連続する谷の美しさにあります。足に自信があれば、ぜひ遊歩道を歩いてみましょう。
大倉谷にかかるせせらぎ街道の橋を渡って林道に入ります。遊歩道もなだらかな林間コースから健脚向きコースまでいくつかありますが、谷に沿って大倉百滝を辿るのは健脚向きコースだけです。がんばって歩きましょう。休憩舎の建つ林道終点から遊歩道を歩き、明るい渓谷沿いに登っていくと、木橋の出合橋に着きます。
この辺りから岩間を流れ落ちる瀑布群が連続するようになり、傾斜も急になります。
大きな岩が覆いかぶさり、その下の空間をくぐる「くぐり岩」を過ぎ、ひときわ大きな滝が現れると「登竜門滝」、さらに登ると、落差30mを誇る見事な「大倉滝」を見上げる林間の滝見広場に到着します。
大迫力の滝壺の近くまで行くと、岸壁を落ちる滝の飛沫を全身に浴びます。滝見広場には東屋もあって休憩するのによい場所です。滝の脇を階段で上がると、林道の駐車場に出ます。途中からは大倉滝の落ち口を覗き込むことができます。
車を利用して林道を行く途中には滝見台の東屋があり、正面に大倉滝の全容を眺めることができます。振り返ると遠く御嶽山や北アルプスのパノラマも開けます。
西ウレ峠の尾根続きに、ゆるやかな龍ヶ峰という高原があり、飛騨共同模範牧場の大草原が広がります。
その一角に、龍馬石という不思議な石があり、飛騨の国名の由来だともいわれます。 神代の頃、高天原の祖神様は、竜よりも速く空を飛ぶ「龍馬」という天馬を、川上岳と白山の女神にお使いとして遣わしました。龍馬は川上岳の女神にお使いをし、次に白山に向かっていると、眼下に大好物の山笹の大草原を発見しました。我慢しきれずに舞い降りた龍馬は、笹をお腹いっぱい食べると眠りこけてしまいました。祖神様は、そのまま眠らせてやろうと考え、龍馬を石にしてしまいました。
龍馬石には馬の歯の跡のような斑紋があり、付近のササを産馬に食わせるとお産が軽いといいます。
せせらぎ街道沿いにある神様イチイの木は、樹齢400年の老木です。
その昔、山を渡り歩いて木工製品を作っていた木地師たちは、「仕事山」を定めると手近にある立派な立木をご神木として祀り、山仕事の安全を祈願していました。このイチイもそのひとつといわれ、木地師たちが移動した後も、村人は「神様イチイ」として大切に守ってきました。
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