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日和田高原から濁河温泉にかけての一帯は、現在、オリンピック級陸上選手のナショナル高地トレーニングエリアとして急速に整備が進められています。
御嶽山の中腹を走る県道435号は、岐阜県出身の金メダリスト高橋尚子にちなんで「飛騨御嶽尚子ボルダーロード」と名づけられ、2車線道の側道に、広いランニングコースが設けられています。
海外の高地トレーニングでは、アメリカのボルダー、中国の昆明などが有名です。
高地のような空気の薄い所では、1回の呼吸で体内に取り込める酸素の量が減りますが、人間は環境に慣れようとする適応能力があるため、高地に長時間いたりトレーニングをすると、心肺機能が高まり、血液の「酸素運搬能力」が上がります。また、筋肉自体も効率よく酸素を消費します。
こういった高地への適応能力を利用して運動能力を向上させるのが「高地トレーニング」です(個人差あり)。これまで、高地トレーニングは、主に持久力が必要なスポーツ選手が行ってきましたが、瞬発力が必要なスポーツでもその効果は期待されています。
標高1300mの日和田体育館周辺にも本格的なトラックコースやグラウンド、2200mのチャオ御岳スノーリゾートにはゲレンデの斜面や遊歩道を利用したトレーニングコース1800mの濁河温泉にも御嶽パノラマグラウンドが建設されました。
各所に陸上選手のための宿泊施設があり、春から秋にかけて多くの実業団や学生の陸上部などが合宿を行うので、早朝から高原を走る選手の姿を見ることができます。
電話:(0577)56−3620
飛騨御嶽尚子ロードは標高1800mラインの高度もさることながら、その眺めの良さでも飛騨随一の山岳展望道路です。特に日和田富士と称される継子岳のすっきりした円錐形の稜線は手に取るような近さにあります。
御嶽山と向かい合うように乗鞍岳がそびえています。千町尾根の長い長い分水嶺を伸ばす乗鞍岳は女性的な美しさがあります。
飛騨御嶽尚子ボルダーロードを濁河温泉に向かって走ると、濁河温泉とチャオ御岳スノーリゾートの中間に胡桃島キャンプ場があります。
キャンプ場がある胡桃島高原は御嶽山北面に広がる大斜面です。御嶽山胡桃島登山口近くの展望台に登って眺める御嶽山は、前面に継子岳が張り出し、どっしりとした山容の摩利支天や、鋭角に突き出した継母岳など、独特の姿を見せてくれます。
キャンプ場の周囲はどこまでも広がる針葉樹林の大樹海で、数キロ範囲に人工物はありません。キャンプ場にはオートキャンプサイトや快適なロッジがありますが、街中と変わらないようなオートキャンプ場が増えてきたこの頃、これほどワイルドな環境のキャンプ場も他には見当たらないでしょう。
御嶽山中腹、のぞき岩付近で濁河口登山道に合流する登山道と、尾根を越えて濁河温泉と仙人滝に至る原生林遊歩道があります。
電話:(0576)62−3349
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胡桃島キャンプ場から県道沿いに下り、閉鎖されたゲートを抜けて林道沿いに下っていきます。途中から山道に変わり、徒歩40分ほどで人の気配もない御嶽山中腹の原生林に囲まれた胡桃大滝に到着します。
落差30m、溶岩壁を一気に流れ落ちる美しい滝で、かつて山中にそびえていた胡桃の大樹が龍に姿を変え、天に昇っていった姿を残している、と伝えられています。 |
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