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立山室堂の正面には、立山三山が屏風を立てたように並んでいます。
その主峰・雄山(標高3003m)までは室堂から約2時間、夏のシーズンには早朝から登山者の列が連なっています。体力、装備、時間が揃えば、雄山トレッキングに挑戦してみましょう。
また、そのまま立山三山を縦走して雷鳥沢に下り、室堂へ周遊する縦走路も、雷雨などの際に逃げ場がないことを考慮しなければいけませんが、天候に恵まれたなら十分に魅力的です。稜線の下には、最近になって学術的に認められた「世界最南端の氷河」御前沢氷河があります。
室堂ターミナルの建物を出ると、玉殿の湧水が立山連峰をバックにしています。
そのままコンクリート舗装の歩道を歩いて行くと10分ほどで室堂平のハイマツ原に建つ室堂山荘に到着します。室堂山荘からはゆるやかに上り勾配になり、近づいてくる雄山を見上げながら進んでいきます。
右に分岐する道は室堂山への登山道です。立山カルデラの展望台でもある室堂山へは所要時間1時間30分と若干近く、標高もそれほど高くないので、雄山に上る自信がない人でも挑戦しやすいピークです。
ベンチを過ぎると傾斜が急になり、コンクリート舗装の歩道はジグザグを描いて斜面を登っていきます。頭上には雄山と、これから目指す一の越山荘の建物が見えます。
やがて土道に変わると、稜線に建つ一の越山荘に到着します。
一の越は北アルプスの十字路で、北には険しい岩山の雄山、南稜線上には浄土山のゆったりした山容がそびえています。
一の越山荘を出発すると、いきなり稜線の急登に変わります。ぐいぐいと高度を上げていきますが、ざらざらと崩れやすい砂利道で、しかも登山ルートが入り乱れるため、うっかりすると危険なガレ地に出てしまいます。ペンキのマーキングに注意して進みましょう。また、登山者の多いときにはゆっくり歩き、落石をしないよう、上部の人が起こした落石に巻き込まれないよう気をつけましょう。
登りきると雄山の肩に出ます。社務所の建物が小台地にあります。ぴんと尖った雄山の頂上は、立山信仰の御神体であり、雄山神社の境内地です。鳥居前にある受付で拝観料500円を払って入場します。
雄山頂上に立つとさすがの大パノラマが広がります。南は御嶽山・乗鞍岳から槍穂高連峰、笠ヶ岳、薬師岳など奥黒部の山々、北には剣岳、白馬、鹿島槍、眼下には青い湖水を湛えた黒部ダムがあり、はるか富士山や白山まで一望にできます。
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