Panorama飛騨 飛騨路と北アルプスの絶景地ガイド

 
ホーム 下呂温泉 南飛騨 御嶽山 南乗鞍 飛騨高山 乗鞍岳 上高地
奥飛騨  飛騨古川  白川郷  山ガイド  リンク  サイトマップ 繁體中文   簡体中文
立山


 北アルプスの名峰・立山は、雄山を中心とした立山三山に、浄土山、別山、大日岳などを含んだ広大なエリアの山々の総称です。古来より、富士山、白山と並んで日本三名山のひとつに数えられ、人々の信仰を集めてきました。
 戦後、黒部ダム開発に伴って立山黒部アルペンルートが開通すると、立山は誰でも手軽に訪れることができる山岳観光地となり、かつて立山参りの修験道の場であった神聖な雰囲気を感じることはありません。
 しかし、人々が恐れた地獄谷や極楽だと感じた高山植物のお花畑といった自然の様相は変わっておらず、立山の麓を訪ねれば、歴史的な見どころも数多くあります。


立山ケーブルカー

 立山黒部アルペンルートの富山側の起点・立山駅と、弥陀ヶ原台地の一角に位置する美女平駅を結ぶケーブルカーです。材木坂と呼ばれる急坂では、立山の火山活動でできた無数の柱状節理を見ることができます。

美女平

 立山ケーブルカーで上がった弥陀ヶ原の溶岩台地の一角が美女平です。
 地名の由来は、その昔、女人禁制を破って立山に登ろうとした女性が、神の怒りを買って立山杉に変えられてしまった、との伝説によります。ケーブルカーから高原バスに乗り継ぐ美女平駅の屋上展望台に出ると、眼下に富山平野が広がっています。

立山アルペンルート高原バス

 美女平から立山室堂までは高原バスが走ります。
 美女平は立山杉の美林が続く森で、巨大な老木などを見ることができます。ブナ坂と呼ばれるブナ原生林を抜け、観瀑台ではるか眼下に称名滝を眺めると、やがてバスはダケカンバやナナカマドなどの灌木帯に入ります。前方に大日岳や薬師岳の北アルプスの峰々が姿を現してくるのもこの辺りです。
 弘法平は、平安時代に弘法大師が立山登頂に挑んだものの、千足の草鞋を潰しても上ることが叶わず、ここで撤退したとの伝説によるものです。やがて、弥陀ヶ原の広大な高層湿原が開け、夏になると高山植物の一大お花畑が展開する天狗平を抜けて、バスは立山三山を間近にあおぐ室堂に到着します。
 4月末のオープンから6月にかけて、アルペンルートの両側に高さ20m近い巨大な雪の壁が出現する雪の大谷も、室堂の少し手前にあります。


弥陀ヶ原
 立山火山の溶岩台地である弥陀ヶ原は、標高1600mから2000mにかけて広がる高層湿原です。
 室堂から続く遊歩道沿いには大小3千個もの池塘が点在し、「餓鬼の田」と呼ばれています。全国有数の湿生高山植物の宝庫で、ラムサール条約の登録湿地にも選ばれています。
弥陀ヶ原ホテルと国民宿舎があります。

天狗平
 弥陀ヶ原の上段、標高2300mの台地で、特に高山植物のお花畑が見事な一帯です。
 室堂から地獄谷を経て遊歩道がありますが、静かで比較的平坦なコースのため、きつい山登りが苦手な方でもトレッキングが楽しめます。
立山高原ホテルと天狗平山荘があります。

立山室堂

 標高2450mの室堂は、立山高原バスと立山トンネルバスの乗り換え地点で、立山黒部アルペンルートの中心にあたります。
 巨大な駅舎にはホテル立山が併設され、レストランや売店などがあります。立山自然保護センターが隣接するほか、駅舎4階の出口の外には、立山玉殿の湧水が流れ、夏でも手を切るように冷たい清水を飲む観光客で賑わいます。
 正面にそびえる立山三山の主峰・雄山へは徒歩2時間のトレッキング。体力と時間に応じて、室堂山、地獄谷、みくりが池一周などのトレッキングコースが選べます。

雪の大谷

 立山室堂の手前に約1kmにわたり、高さ約18mもの雪の吹き溜まりをバス道路のために除雪した通称「雪の大谷」が続きます。期間中には片側車線が遊歩道として開放され、歩いて雪の谷間を楽しむことができます。4月の開通時から6月まで見られる雪の壁は、立山を象徴する絶景として、外国人観光客にも人気がある場所です。

立山自然保護センター
 雷鳥の分布や生態など、立山の豊かな自然環境を解説するビジターセンターで、トレッキング前に見ておくと楽しみ方が深まります。
 ナチュラリスト(自然解説員)の拠点になっており、自然保護センター主催の自然観察会なども開かれます。

無料

みくりが池

 標高2400m、室堂から徒歩10分の近さにある火口湖で、北アルプスで最も美しい高山湖です。周囲360m、深さ15m、立山三山を静かな湖面に映し出します。
 みくりが池とは、御厨と書いて「神様の料理の台所」という意味です。少し下った場所には、日本最高所の温泉であるみくりが池温泉があり、宿泊や日帰り入浴ができます。

みくりが池温泉:4月〜11月 電話(076)463−1441

地獄谷

 みくりが池から急な坂道を下るとキャンプ指定地の雷鳥沢。手前に雷鳥温泉の2軒のロッジが営業しています。その雷鳥沢から谷沿いに歩くと、火山ガスがもうもうと噴出し、硫黄の匂いが立ち込める地獄谷です。
 かつて、立山曼荼羅には閻魔大王の裁きを受ける地獄として描かれ、多くの人々に恐れられました。現在では観光エリアですが、火山活動の活発な時期には、危険防止のため立ち入り禁止になります。

雷鳥荘 4月〜11月 電話:(076)463−1664
雷鳥沢ヒュッテ 4月〜11月 電話:(076)463−1753

室堂山荘

 室堂平のほぼ中央に位置し、雄山トレッキングコースの出発点にあたるのが室堂山荘です。アルプススタイルの山小屋ですが、隣接する2間続きの木造建物は、江戸時代に建築され、信仰登山の名残を留める日本最古の山小屋で、国の重要文化財に指定されています。

室堂山荘 4月〜11月 電話:(076)463−1228

称名滝
 立山駅のある千寿ヶ原から称名川を遡ります。弥陀ヶ原台地を乗せた「悪城の壁」と呼ばれる溶岩の絶壁を眺めながら車で進むと駐車場があり、そこから30分の林道歩きで称名滝展望台に到着します。
 立山の雪解け水を集めて一気に流れ落ちる日本最大の巨大瀑布は、高さ350mありますが、春先にはすぐ隣に500mのハンノキ滝が出現して、水量も多く、すさまじいまでの大迫力です。
 立山駅から探勝バスも走っています。

立山カルデラ砂防博物館

 立山駅の近くにある富山県立の博物館で、立山火山の活動によってできた立山カルデラ及びカルデラから富山平野に流れる常願寺川砂防の歴史について立体映画とジオラマで展示・解説しています。
 立山連峰と弥陀ヶ原の南側には、東西6km、南北5kmの巨大な立山カルデラがあります。約22万年前に活動した立山火山が、内部のマグマが抜けて空洞になったために陥没してすり鉢状の窪地になったものです。常願寺川は越中と信州を結ぶ街道として利用され、カルデラ底には立山温泉があって立山登山の基地として賑わいました。

 幕末の安政5年(1858)4月、マグニチュード7の飛越地震により、立山カルデラの鳶山が崩壊しました。常願寺川を大量の土砂で埋まり、その堰止湖は二度に渡って決壊して、富山城下まで迫る土石流となって甚大な被害を及ぼしました。
 立山カルデラには、崩壊すると富山平野が厚さ2mの土砂で覆われるほどの大量の土砂が残っており、明治時代から100年以上に渡って気の遠くなるような砂防工事が進められています。

9:30〜17:00 休:月 400円 電話:(076)481−1160

立山砂防工事専用軌道

 立山カルデラ砂防博物館に隣接する国土交通省立山砂防事務所が運営する、砂防工事専用の鉄道で、登録文化財にも指定されています。
 大正15年(1926)に立山カルデラの砂防工事が国の直轄事業に格上げされると、大量の工事作業員や資材を運ぶために専用軌道の建設が開始され、昭和6年(1930)に完成しました。
 距離18km、標高差640mを走るために、幅610oのナローゲージを用い、42段ものスイッチバックを繰り返すという世界にも類を見ない鉄道ながら、かなり危険な場所を走るために一般客の輸送を行っていません。立山カルデラ砂防博物館が主催する工事見学会に申し込んで抽選で当たった人のみ、特別に乗車が許されます。
 また、立山カルデラ自体が一般人の立ち入り制限地域であり、国内外の観光客で賑わう一大観光地のすぐ近くにあって、ほとんど実態を知られない秘境です。

立山博物館

 立山信仰の中心地であった芦峅寺集落にある富山県立博物館です。
 芦峅寺には雄山神社中宮が鎮座します。江戸時代には山々を渡り歩く修験道が盛んで、全国から集まる信者を泊める宿坊が並んで大いに賑わいました。明治維新の際に神仏分離によって仏教色が排斥され、立山を御神体とする雄山神社になりました。
本社は雄山山頂にあります。

 雄山神社中宮に隣接した立山博物館展示館では、立山曼荼羅の世界を中心に、全国で布教に努めた修験者たちの信仰世界を展示・解説しています。

9:30〜16:30 休:月 共通券650円 電話:(076)481−1216

まんだら遊苑・遥望館

 立山博物館の関連施設で、本館である「展示館」とともに、フィールドミュージアムの「まんだら遊苑」、映像施設の「遥望館」の3つを合わせて立山博物館を構成します。
 「まんだら遊苑」は、立山曼荼羅の世界を表した施設で、広大な敷地で地獄と極楽を巡り、胎内巡りを経て生まれ変わる疑似体験ができます。血の池や針の山、鬼や亡者が呻く館などもありますが、そこは県立施設であるため、具体的な宗教イメージが表せないのか、現代アートのような抽象的でちょっとオシャレな「地獄と極楽」世界であるのが面白いところです。
 「遥望館」では、かつて女人禁制の立山で、女性信者のために姥堂で行われていた布橋灌頂会という儀式を再現した映像が上映されます。
 また、野外には豪農の館や五箇山の合掌造り、飛越国境から移築した民家などが展示されています。


9:30〜16:30 休:月 共通券650円 電話:(076)481−1216

サイト情報
このサイトについて
自己紹介
リンク
サイトマップ
メール


Copyright (C) panoramahida All Rights Reserved