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白川郷の山々が紅葉に染まり、田畑では実りの収穫が終わる10月中旬。豊作の秋の喜び、家内安全と山里の平和の祈りを込めて、天下の奇祭といわれる「どぶろく祭り」が盛大に繰り広げられます。
早朝、神社での祭典神事の後、五色旗を連ねた「御神幸」の行列が笛や太鼓の音を響かせながら、地区内を練り歩きます。そして、午後3時過ぎに神社境内において獅子舞があり、この年に仕込まれた「どぶろく」の奉納と振る舞いが行われます。
参拝者や遠来の客の一人ひとりにもどぶろくが振舞われ、村人と一緒に盃がかわされます。また、舞台では郷土芸能が披露され、夜更けまで賑わいます。
白川郷は古くから外との交渉の少ない土地柄であったため、村人のわずかな楽しみは粟・稗の雑穀類で作った自家製の地酒でした。漉して清酒になる前の濁酒「どぶろく」は祭礼でも用いられてきました。
明治時代になると、酒の醸造には免許と酒税が課税されるようになり、自家製の酒はいわゆる密造酒として禁止されましたが、神社祭礼用については、慣習により濁酒は無税で認められていました。
昭和23年に酒税法が改正され、神社の「どぶろく」にも、酒税が課税されることになりました。白川郷では祭礼用の独特の文化として、祭礼日の境内での飲酒に限って許可されており、「どぶろくまつり」として有名になりました。
「どぶろくづくり」は、古くより受け継がれた独特の技法をもって、雪にうもれた一月下旬に、神社酒蔵で造りこまれます。その年の気候や作柄によって酒樽の味は毎年異なり、また開催される神社や用意された酒樽ごとに異なります。
地区 |
神社 |
祭礼日 |
場所 |
荻町 |
白川八幡神社 |
10月14〜15日 |
荻町合掌集落南側 |
鳩ヶ谷 |
鳩ヶ谷八幡神社 |
10月16〜17日 |
道の駅白川郷の向かい |
飯島 |
飯島八幡神社 |
10月18〜19日 |
白川村役場近く |
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