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白山の北方稜線に位置する三方岩岳(1736m)は、白山スーパー林道から40分ほどで登れる手軽なトレッキングコースとして人気があります。
手軽とはいえ、白山国立公園・白山北縦走路の一角を占め、特異な岩峰の姿や雄大な展望が素晴らしく、おすすめです。 |
駐車場→三方岩岳 約40分 / 三方岩岳→駐車場 約30分 |
白川郷から白山スーパー林道をぐいぐい上がっていくと、頭上に特異な三方岩岳がそびえ、その姿は印象的です。山名の由来は、飛騨岩、加賀岩、越中岩という白山を囲む方向に突き出た岩壁から来ています。間もなく三方岩岳駐車場に到着し、トイレなどを済ませたら、道路の反対側から登山道がはじまります。
駐車場の標高は1450m、山頂までは標高差300mほどです。
駐車場を見下ろしながら、灌木の間を大きくジグザグに切って稜線に取り付きます。道幅が広く作ってありますが、ぬかるみもあって滑りやすいので気をつけましょう。
ややあって稜線に出ると、大きなブナの木が茂っています。笹原に囲まれた本格的な登山道になり、息を切らしながら高度を上げていくと、すぐに越中岩の岩壁が頭上を圧するように見え、大きく回り込んで三方岩岳の山頂に到着します。
下から見た岩峰の印象と異なり、山頂部は加賀側に開けたなだらかで広い一帯になっています。目の前には巨鯨が横たわるように白山の眺めが広がり、目を北に転じると笈ヶ岳、東には北アルプスから御嶽山にかけての山々が連なっています。
三方岩岳→野谷荘司山 約1時間/野谷荘司山→三方岩岳 約1時間 |
三方岩岳だけではやや物足りないため、白山方向に野谷荘司山や妙法山といった北縦走路の山々まで足を延ばすとより充実したトレッキングが楽しめます。
稜線沿いに進むと、山頂からすっぱり切れ落ちた飛騨岩のそばを通ります。かなり高度感があって、あまり覗きこまないようにしましょう。やがて馬狩料金所から上がってきた登山道と合流します。白山まで歩きとおす北縦走路を往復する場合、スーパー林道の駐車場が1日以上の利用を認めていないため、下から登ります。
白山をめざして進む縦走路は快適で、標高に似合わず高山帯のような雰囲気があります。やがて、白山は野谷荘司山の陰に入り、眼下の谷間には白川郷の荻町合掌集落の全容を見下ろします。鼻歌が出そうなプロムナードが続きますが、ところどころで稜線が崩壊したガレ場があり、登山道が削られてい場所もあるため、転落しないように注意しましょう。
やがて、南の谷間に、野谷ダムの人工湖が光って見え、正面には野谷荘司山が現れます。馬狩集落から上がってきた喜平新道をあわせ、笹原の斜面をぐいぐい登ると、灌木に囲まれた野谷荘司山(1797m)の山頂に到着します。細長い山頂からは、三方岩岳からよりもさらに大きく白山が望まれます。
山頂で展望を楽しんだら来た道を辿りますが、さらに白山に向かって妙法山(1776m)まで歩くと往復3時間が必要です。途中には高層湿原のもうせん平があり、ニッコウキスゲなどのお花畑が目を楽しませてくれます。
さら北縦走路をシン谷、北弥陀ヶ原を経由して白山に登頂するには、道中の避難小屋で1泊する日程となります。
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