Panorama飛騨 飛騨路と北アルプスの絶景地ガイド

 
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ケイちゃん(鶏ちゃん)


 下呂温泉のある南飛騨から奥美濃地方にかけて食されているスタミナメニュー、その名も「ケイちゃん(鶏ちゃん)」。
 「ケイちゃん」の「ケイ」は「鶏肉」、つまり「トリ肉」のことです。「ケイちゃん」というのは、いわゆるジンギスカン鍋のような鉄なべを使って、タレに浸した鶏肉とキャベツを蒸し焼きにして食べる、安くておいしく、妙に癖になるB級料理の王様です。

ケイちゃんの食べ方

 ケイちゃんの食べ方は、
@市販品のケイちゃんがスーパーで手に入りますが、手作りしたい場合は、味噌、醤油、砂糖、ニンニク、唐辛子などを混ぜたタレに細切れの鶏肉を浸します。
A鉄なべに、タレで味付けしたケイちゃんとキャベツをどっさりと乗せます。
B焼いている間は常にかき混ぜます。お好みで真っ赤に唐辛子を振ります。
Cケイちゃんに火が通ったら食べます。どんどん補充して、がんがん食べます。
D最後にうどんや中華麺を投入して焼きうどん、焼きそばにしてもおいしいです。
 ご飯のおかずにも、ビールの肴にも合う名物「ケイちゃん」いかがでしょうか。あまりに普通に家庭で食べられていたので、飛騨の郷土料理として知られるのが遅れたケイちゃんですが、いまブームのきざしありです。

ケイちゃんはどこで食べられるの

 スーパーでは真空パックの市販品が売られていますが、飲食店では自家製のケイちゃんをテイクアウトすることもできます。
 ケイチャンは、ホテルや旅館ではまず出していない料理でしたが、最近では、下呂名物のケイちゃんとして宣伝するところもあります。地元の居酒屋兼食堂のようなお店がメインですが、Gグルメ・Gランチのメニューとしてケイちゃん丼を出しているお店があるので、食べ歩きマップをチェックしてください。
 また、地域に根ざした食べ物であるので、同じケイちゃんでも場所によって味付けが違ってきます。

竹原系ケイちゃん
 
 下呂温泉から竹原地区、中津川市加子母地区、と国道257号線に沿って分布するケイちゃんです。ニンニクの利いたあっさり醤油味・塩味が特徴で、どれだけでも食べられそうです。
@杉の子・・・下呂温泉のはずれ、ピアショッピングセンターの近く。観光客にも人気。
Aくまちゃん・・・竹原地区、国道257号線沿いにあります。夜のみ営業。
Bまる八・・・竹原地区。ケイちゃんの草分け的な存在の名店です。
Cがやの木・・・加子母・小郷集落の奥にあります。ニンニクが利いています。
Dこざと・・・加子母小郷、乙女渓谷の入口。ぱっと見、普通の民家のような店です。
Eさんとく・・・下呂駅近くの居酒屋。ビールにぴりからケイちゃんはよく合います。
F更科・・・下呂・湯之島温泉街のラーメン・丼物などがある食堂・居酒屋。
Gミズホ食品・・・竹原地区のメーカー。あっさり味が特徴。
H河村食鶏・・・竹原地区のメーカー。あっさり薄味です。

萩原・馬瀬系ケイちゃん

 下呂温泉の北、国道41号線沿いの萩原地区、小坂地区から馬瀬地区にかけて分布するケイちゃんです。醤油・味噌ベースのタレが特徴で、割にあっさりした万人向けの味です。岐阜県資本のスーパーバローによって、岐阜や名古屋辺りでもよく流通しています。
@大安・・・国道41号線沿い、トラックやツーリングのバイクが憩う大衆食堂。
A萩原荘・・・国道41号線沿い、旅館に併設された食事処です。
Bしみず庵大輪・・・飛騨川温泉しみずの湯に併設された食事処です。
Cとしちゃん食堂・・・国道41号線沿いにあります。トンチャンもおすすめです。
D梅本屋・・・馬瀬地区にある食堂兼民宿。
E萩原チキンセンター・・・萩原地区のメーカー。ぴり辛ケイチャンや塩味ケイチャン。
F村山チキンセンター・・・馬瀬地区のメーカー。よく流通しています。

郡上系ケイちゃん
 
 長良川に沿った国道156号線、郡上市八幡地区、白鳥地区などに分布するケイちゃんです。名物の郡上味噌をベースにしたこってり味が特徴です。
 郡上市明宝地区の明宝ケイちゃんは、B級グルメグランプリB1にも出場しています。

荘川系ケイちゃん
 
 長良川から分水嶺を越えて庄川沿いに入った高山市荘川地区のケイちゃんです。
田舎風味の濃厚なニンニク味噌に唐辛子が利いています。下呂のケイちゃんがあっさり系で、キャベツを大量に投入すると薄味になってしまうのに対し、荘川ケイちゃんはパンチのある辛さが野菜によくなじみます。
@いちま(三島酒店)・・・濃厚な味噌にニンニクが利いたメーカー。
A山家料理本舗・・・「いちま」と双璧を成す荘川メーカー。高山市内に流通しています。

ひね鶏ケイちゃん
 
 昔の農家が、庭先で飼っていた鶏をおいしく食べるために工夫したのがケイちゃんです。だから、ケイちゃんの原点は卵を産み終えた年寄りの鶏にあるといえます。現在では若鶏が主流ですが、固くて筋張ったひね鶏を好む人もあり、知る人ぞ知る穴場のお店では、昔ながらのひね鶏ケイちゃんを作っているところもあります。
 噛めば噛むほど肉本来の滋味と甘さが染み出てくるひね鶏ケイちゃんです

ケイちゃんの由来考
 
 ケイちゃんと合わせて食べられるのが、トンちゃんです。
トンちゃんは、北飛騨から南飛騨、名古屋の辺りまで広く食されるスタミナ郷土料理。豚の臓物を味噌、醤油、ニンニクなどのタレで味付けしてキャベツと一緒に蒸し焼きします。ケイちゃんはトンちゃんの鶏バージョンとして生まれた料理という説があります。

トンちゃんのルーツは韓国料理のようです。韓国料理で内臓のことを「テチャン」と呼び、関西にある「こてっちゃん」の商品名もそこから来たものでしょう。豚の臓物なので「トンちゃん」になったものと思われます。
 戦前から戦争中にかけて、飛騨地方にも神岡鉱山などの労働者として多くの朝鮮人が送り込まれました。その人たちが残した料理ともいえます。

 名古屋を中心とする東海地方は味噌文化エリアでもあり、臓物に味噌がよく合ったので、家庭料理として定着しました。ケイチャンやトンチャンが長く郷土料理と認識されていなかったのも、そんなルーツがあったからでしょう。

 また、ウィキペディアによれば、ケイちゃんのルーツは羊のジンギスカン料理だといいます。現在は飛騨牛の飼育で有名ですが、かつて飛騨では農家の副収入として綿羊が導入され、盛んに飼育されていました。北海道と同じように、飛騨でも羊の焼肉が食べられており、ジンギスカンはトンチャン、ケイチャンと同じくらいポピュラーな肉料理でした。
 あの独特なジンギスカン鍋を利用するケイちゃんはそこから来ているそうです。そういえば、昔、ジンギスカンの名店「かごめ」によく行ったことを思い出します。


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