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まだまだ冬の気配が色濃い2月14日、伝統の「田の神祭り」が飛騨路に一足早い春の訪れを告げます。
3月は下呂温泉合掌村の土雛祭りが早春に彩を添え、待ちに待った4月中旬には飛騨川沿いの桜並木が満開に。苗代桜や岩太郎桜など、市内あちこちにある桜の巨木もみごとな花を咲かせます。人々が農作業に精を出す田植え時期から6月にかけて、「山笑う」と称されるまばゆいばかりの新緑が山々を輝かせます。
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毎年2月14日、まだまだ冬の気配が色濃い飛騨に春の訪れを告げる「田の神祭り」が行われます。
下呂温泉の中心部、森八幡神社に中世から伝わる神事芸能で、国の重要無形民俗文化財に指定されています。別名は「花笠祭り」。若い男性の踊り子が、きれいな花笠をかぶることからそう呼ばれています。
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4人の踊り子と、テテと呼ばれる年配男性は、2月7日から儀式を行い、14日の本楽祭を迎えます。
本楽祭の日は、深夜0時から太鼓の合図で冷水を浴びて体を清め、神聖な祭りムードが高まります。正午には、下呂温泉合掌村に田の神祭りの関係者が揃い、会場の森八幡神社まで、テテと踊り子たちの笠組と、獅子舞行列が「お旅」をしていきます。
森八幡神社での花笠舞いは午後3時ころから。赤、白、黄色の和紙で飾った華やかな花笠をかぶった踊り子たちが、テテを中心に古式ゆかしい舞いを披露します。そして、舞い終わると、かぶっていた花笠や団子、竹の箸などを次々に観客に向かって投げます。花笠を手に入れると願い事がかなう、といわれるため、観客は我先に殺到して奪い合います
3月3日のひな祭りに合わせて、下呂温泉合掌村の国指定重要文化財「大戸家」では、「土雛祭り」が開催されます。
現在の華やかな段飾りとは違って、飾られるのは600体にものぼる素焼きのひな人形たち。正面にだけ絵が描かれていて、中は空洞という今では珍しい素朴なものばかりです。昔、桃の節句が近づくと、尾張や三河から商人が素焼きの人形を抱えて行商にやってきました。各家庭では、子どもが生まれるたびに、毎年1つ、2つと新しく買い揃えタンスや引き出しをひな壇にして飾りました。
飛騨では、「がんどうち」といって、ひなまつりに子どもたちが近所の家々を回り、「ひなさま見しとくれ」と言ってはひな飾りを見、お菓子をもらって歩く風習があります。 合掌村の土雛祭りでも観光客に甘酒がふるまわれ、飛騨の素朴なひなまつりを体験することができます
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下呂市を代表する桜となった「苗代桜」は、下呂温泉から南へ15km、和佐地区の丘に立っています。
樹齢400年ともいわれる老桜は、開花の時期が毎年一定していることから、里の人たちが開花を合図に苗代を作り始めたことから名前がつけられました。
もともと3本の姉妹桜でしたが、昭和27年に1本が枯れて今では2本が残っています。大きい方は高さ30m、もう片方は25mとなかなかの大樹で、水を張られた田んぼに写る満開の姿はとてもきれいです。
特に美しいのは、ライトアップされた夜桜。夕方6時〜夜10時まで行われるライトアップには、下呂温泉各旅館からのツアーバスも運行されます。 |
4月〜11月の期間の午前8時〜12時、下呂温泉合掌村の下で開催される朝市です。 朝市には、下呂温泉の新鮮な旬の高原野菜をはじめ、地元産のトマトジュースや地味噌、地酒、漬物や飛騨牛の串焼きなどの名物から、骨董品、陶器、ガーデニングの材料まで、いろいろなものが所せましと並んでいます。 地元の特産品はどれもお値打ちです。お店のおじさんやおばさんと、世間話をしてふれあうのも旅の楽しみですね。
写真説明舞台峠のふもと、国道257号線近くにある芝居小屋です。
毎年、5月3日、4日の2日間、御厩野の日枝神社と熊野神社の祭礼に合わせて地元の人々による地歌舞伎の上演が行われます。「八十八夜の村芝居」とも「御厩野の芝居」とも呼ばれていました。
地歌舞伎というのは、役者はもちろん、舞台を支える大道具や照明係まで、全てを地元の人で切り盛りする歌舞伎のことをいいます。素人といっても、30年近い芸暦を持つベテランも大勢いて、熱演は玄人はだし。 アットホームな雰囲気の中で、大人から子どもまで、気軽にお芝居を楽しんでいます。
戦争中に中断しましたが、戦後すぐに復活し、間口18.3m、奥行き24.5mの大型の芝居小屋も、昭和の大改築、平成10年(1998)の回り舞台を復活させる大改修が行われています。
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